ハードからソフトに至るまで、あらゆる側面において変化のスピードが速いモバイルの世界。スマートフォンのアプリもその例外ではなく、アプリマーケット上でも人気のアプリが連日のように変化している。

 そこで今回は、こうしたスピードを取り入れるうえで重要となる“流行”にスポットを当てる。世間で話題となっているキーワードを取り入れたアプリが、どれくらいマーケットに存在しており、世間の流行とアプリシーンはどの程度結びつきがあるのかを見ていこう。

内容に変化がないと“飽き”られやすい

 フィーチャーフォン向けコンテンツの時代から、モバイル向けのコンテンツはスピード感が重視されてきた。これにはさまざまな要因がある。特にモバイル向けコンテンツは元々若年層の利用が多く、暇つぶし用途に用いられることが多い。そのため、エンタテインメント系のコンテンツを中心に、内容に変化がないと“飽き”られやすい傾向にあることも、大きな影響を与えているといえるだろう。

写真1●Google Playの「野球特集」
写真1●Google Playの「野球特集」
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開催時期に合わせた特集を展開している。
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 そのためモバイル向けのコンテンツにおいては、“変化”や“鮮度”が重視される傾向が強い。その時々の流行や、季節に合った事柄を積極的に取り入れることで、利用者の関心を高め、継続的な人気の獲得につなげることができるためだ。

 スマートフォンのアプリにおいても、同じようなことが言えるだろう。“一発ネタ”を狙うエンタテインメント系アプリはもちろんのこと、実用系のアプリなどでも、時事的な事柄を積極的に取り入れたり、時事的要因を取り入れたアプリを新たに開発したりすることで、注目度を高め、ダウンロード数の増加につなげられる可能性は高い(写真1)。

 そこで今回は、App StoreとGoogle Play、それぞれのマーケットにおいて、季節、流行など時事的なキーワードを使ってキーワード検索を実施。検索にマッチしたアプリの数を確認することで、現在、時事や流行がアプリシーンにどの程度取り入れられているのかを調べてみることとする。