今回の投稿では、大企業における新事業立ち上げの難しさを取り上げています。友人からのインタビューにこたえたものですが、ブランク氏は、リソースが豊富にあるはずの大企業においてイノベーションが起こりにくい理由を3点に絞り、簡潔に表現しています。(ITpro)

 私の友人であるロン・アシュケナス氏が、 ハーバード・ビジネス・レビュー誌にブログを投稿するため、私にインタビューしました。ロンはシェイファー・コンサルティグのマネージング・パートナーで、現在はカルフォルニア大学バークレー校のハース・スクール・オブ・ビジネスの客員講師をしています。彼は「The GE Work-Out」と「The Boundaryless Organization」の共同著者で、最近の著書には「Simply Effective」があります。

 私が考えたのは、私たちがスタートアップで学んだ2~3の項目を企業のイノベーションに適用するという簡単な アイデアでしたが、彼のブログは非常に大きな反響を呼びました。以下に、彼のブログを引用させていただきます。

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 世界的に有名なビジネス・メディアであるファースト・カンパニーの2013年版「世界の最もイノベートな50社」のリストで印象に残ったのは、既存の大企業が比較的少なかったことです。このリストには、過去20年間に大きな技術的勝利を上げ、そのイノベーションを自社のDNAに組み込んでいる企業(アップル、グーグル、アマゾン、サムスン、マイクロソフト)と、多くの小規模の新しい企業で占められていました。目立った例外は、ターゲット(小売り)、コカコーラ(飲料)、コーニング(光ファイバー)、フォード(自動車)と第1位のナイキ(スポーツ)でした。

 若いアントレプレナー企業のイノベーション性が高いと見なされていることには、何ら驚くことはありません。当然のことながら、彼らは新しいアイデアから生まれ、 そのアイデアが採算にあうように、創造的な方法を見つけて生き残ったのです。

 しかし、比較的大規模で成熟した企業も革新したいという意欲を同じように持っており、スコット・アンソニー氏が論じるように、それら企業は新しいベンチャーよりも多くの資源を保有しています。それではなぜ、成熟した組織ではイノベーションが盛り上がらないのでしょうか。

 この質問に対して包括的見解を得るため、複数のスタートアップを創業したシリアル・アントレプレナーであり「スタートアップ・マニュアル」の著者、さらには「リーン・スタートアップ」運動の生みの親であるスティーブ・ブランク氏に、つい最近インタビューしました。アントレプレナーシップを大学だけでなく、米国の政府機関と民間企業で教えている人物として、彼はユニークな見解を持っていらっしゃいます。その観点から、成熟企業がイノベートするのにどうして四苦八苦しているのか、ブランク氏は3つの主要な理由を指摘しています。