1700社以上が出展したMobile World Congress(MWC)2013。もちろん、その中には日本企業も含まれる。単独の出展だけでなく、JETROが参加を募った企業や、コンテストの優秀作品など、様々なチャンスを生かした日本のベンチャー企業や開発者が世界に向けて情報を発信していた。第5回は第1回~第4回とは趣を変え、そうした企業の出展の様子をレポートする。

JETROブースにベンチャーが集う

写真1●日本企業が集まるJETROブース
写真1●日本企業が集まるJETROブース
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 MWCは今年から会場を移し、昨年の2倍近くの面積になった。その広大な会場の第8ホール入口近くの目立つ位置にブースを構えたのがJETRO(日本貿易振興機構)だ(写真1)。JETROのブースの先には今年のMWCで話題になったFirefox OSの開発元であるモジラがブースを構えており、人通りも多い。そうしたJETROブースに出展した日本企業は計15社。中でも特に目立っていたのが、ブリリアントサービスとFULLER(フラー)だ。

 ブリリアントサービスは、ヘッドマウントディスプレイ「Viking」を出展(写真2、関連記事:日本企業がGoogle Glass対抗のメガネ型デバイスを展示)。ヘッドマウントディスプレイを装着した来場者は、眼前に浮かぶディスプレイに映る半紙の上に文字を書くといった書道のアプリケーションを体験。先端技術と日本を意識したデモが行われていた。デモ機は試作機だが、製品のコンセプトモデルも展示した(写真3)。

写真2●ブリリアントサービスが展示したヘッドマウントディスプレイ「Viking」を装着しているところ
写真2●ブリリアントサービスが展示したヘッドマウントディスプレイ「Viking」を装着しているところ
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写真3●「Viking」のコンセプトモデル
写真3●「Viking」のコンセプトモデル
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 Android用のアプリ「節電! ぼく、スマホ ~おじさん育てて、電池長持ち~」(以下「ぼく、スマホ」)の「おじさん」キャラクターで注目を集めていたのがFULLERだ(写真4)。「ぼく、スマホ」は節電アプリではあるが、ユーザーの許諾の下、どのようなアプリを使っているかを集計し、その分析結果を通信事業者などに還元するビジネスを展開している。許諾についての確認画面はユーザーの誤解を招かないように非常に慎重で、分かりやすく作り込まれている。