構成管理、バグトラッキング、デプロイ、テストなどのツールをフル活用することによって、実行可能なソフトウエアの生成(ビルド)を頻繁に繰り返し、育てるように開発する―。このCI(継続的インテグレーション)の実践的な方法を、開発チーム向けに解説したのが本書である。

 JenkinsやGitといったCIツールの詳細な機能や操作方法にはあえて踏み込まず、そうしたツールの運用方針や、チームとしての開発作業の進め方を示した。具体的には、チームの中にどんな役割を持ったメンバーが必要になるか、実行可能な状態を維持しながらソフトウエアを成長させるにはどうするか、どのように構成管理を行うか、バグの追跡と修正はどうすべきか、テストはどのように自動化するか―といったことである。

 CIを実践するかどうかにかかわらず、実装フェーズ以降の開発生産性を高める上で非常に参考になる一冊だ。

実践 反復型ソフトウェア開発
津田 義史 著
オーム社発行
2940円(税込)