アプリとユーザーを結ぶ重要な要素がUI(User Interface)です。しかし、最近のトレンドはUIを考えるだけではなく、ユーザーがアプリを通じて得られる体験や経験までを考慮するUX(User Experience)までも盛んに議論されています。本解説では、このUX/UIの設計法について基礎から学んでいきます。

 アプリケーションを作成するときには、必ず「ユーザーが操作しやすい・使いやすい画面(UI:User Interface)を作るにはどう実装すれば良いのか」ということを考慮しなければなりません。ですが、最近の傾向として、UIだけではなく作成したアプリを使った体験/経験までも考える「UX(User Experience)」の設計が盛んに議論されています。

 言葉としては似ているUIとUXですが、実は2つは全く別の概念です。UIは、「GUI(Graphical User Interface)」と同じような意味で語られることが多く、画面の表示様式やウインドウ、メニューなどの画面構成要素としての意味を持ちます。一方のUXは、UIとは異なった意味を持ち、ユーザーがアプリを使ったことで得られる体験や経験のことを指します。

 このUXという言葉が登場した背景には、スマートフォンなどに代表されるように、一般ユーザーもデバイスを使ってアプリを操作することが身近になったことが挙げられます。使い勝手にこだわった良質なユーザーインタフェースが普及したことで、ユーザーインタフェースへの関心が高まりました。同時に、そのアプリケーションを通じて得られる“ユーザー体験”が注目されることになったのです。最近は少なくなってきましたが、「UXってすごいUIのことですか?」という質問を多く受けていました。UIとUXは一体何が違うのでしょうか。まずは、これらの認識を合わせることからはじめていきましょう。