先日、リサーチ会社のITRから「ITR Market View:マーケティング管理市場2013」というレポートが発表された。これは2012年10月~12月にかけて「メール送信」「メール処理」「マーケティング管理」「アクセス解析」「ソーシャルメディア解析」「ECサイト構築管理」といった、各ベンダーに対して行われた調査結果をまとめたレポートである。2010年度から2011年度にかけての、各業界の市場規模実績、および2012年度から2016年度にかけての市場予測などが記されている。

拡大する国内ソーシャルメディア解析市場

 このレポートによると、前述した各市場は、いずれも2011年度から2012年度にかけて拡大を続けている。特にマーケティング管理市場に関しては、その認知度の向上に伴い、2011年度で28.6%の増加、さらに2012年度に関してはより拡大をしていくことが見込まれている。同様に、メール送信市場に関しても、需要の拡大により、同様の傾向をたどっていくようだ。

 その中でも「ソーシャルメディア解析市場」が、最も大きな伸びを見せており、その勢いは2012年度、さらに、それ以降も大幅な拡大を見せていくと予測されているらしい。

 実際、2010年度の同市場は約10.3億円であったのに対し、2011年度で36.9%増の14.1億円、2012年度はさらに20億円に達する見込みである。4年後の2016年度には、さらに2012年度の2倍の40億円に達すると見込まれている。

 この市場の大幅な拡大に至っている背景として、ITRは「TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアのビジネス利用としての有効性・認識が高まりつつある」という点、ならびに「それに伴い参入ベンダーが増加傾向にある」という点を指摘している。さらに「消費者の消費行動に対するソーシャルメディアの影響力が増大している」という点、そして企業における「広告・宣伝費の圧縮要求が企業のニーズを後押し」し、必然的に成果を測定するための解析製品の需要が伸びると見られているようだ。

 一方、2011年度におけるベンダーシェアに関しては、ホットリンク、トライバルメディアハウス、プラスアルファ・コンサルティングの3社で約7割を占める状況となっており、その市場を大きく牽引していると記されている。ただし、この状況も今後は市場の拡大に伴って変わってくるだろう。特に海外のツールの参入が著しくなってくるはずだ。