以前の記事で、アドビシステムズが、デジタルマーケティングソリューション製品群である「Adobe Marketing Cloud」の新ソリューションとして「Adobe Social」を日本でも提供を開始したことを紹介した。それから約一カ月という短い期間で、今度は同じ「Adobe Marketing Cloud」のソリューションとして、デジタル広告ソリューションである「Adobe Media Manager」の国内での提供を、本格的に開始することを発表した。

 昨年後半から、日本国内でデジタルマーケティング関連のソリューション発表の波が、また高まってきているようにも感じる。その中で、今年に入って発表された「Adobe Social」ならびに「Adobe Media Manager」を含む「Adobe Marketing Cloud」は、個人的にも非常に気になっている。

米国で現場の運用を支援するツールが次々と登場

 「Adobe Social」に関しては、以前の記事を読んでいただきたいが、今回の「Adobe Media Manager」は“リスティング広告やディスプレイ広告、ソーシャル広告の管理・最適化およびオーディエンスデータの管理などを統合可能にするソリューション”である。

 つまり、ユーザーの行動から導き出されるデータを有効に活用し、適切なターゲットへの広告配信を行えることはもちろん、それらを複数チャンネルにまたがる形で出稿でき、その露出効果を予測し、その後の最適化を行うという、いわゆるオンライン広告における一連の流れを単一のプラットフォーム上で全て管理できるソリューションとなる。

 実は、こういったツールは特に海外では、比較的規模の大きな企業を中心に広く用いられてきている。この連載でこれまで書いてきたソーシャルメディア関連の施策に限らず、このようなオンライン広告の出稿、そしてパフォーマンスの管理は、そのタスクのほとんどを外部の代理店に丸投げしているような状態だったものが、少しずつ変わってきているのだ。

 ソーシャルメディア関連の施策、そしてこういったオンライン広告は、一見低コストでシンプルな手段のように思える。だが実際には、現場におけるオペレーションタスクが非常に多いものとなり、運用担当者の手間が非常にかかるものとなっていた。ましてや比較的規模の大きな企業になってくると、その施策規模も大きくなってくるため、非常に現場に手間がかかるものとなってしまう。そのため、こういったオペレーションタスクを一通り外部の代理店に委ねるやり方が続いていた。