顧客至上主義が会社を滅ぼす

 「選択と集中の戦略」「中期経営計画の信奉」「顧客至上主義」――。これらを「ニセモノの三種の神器」と否定し、独自の経営改革手法を説く。

 「継続顧客を捨てて、新しい顧客獲得にアタックしている会社のほうが、結果として継続顧客を魅了し、いつまでも顧客を囲い込める」とし、「自己チュー主義」を提唱する。商品開発については、「顧客の言うことを聞いて、完全無欠な商品づくりを目指す大馬鹿な会社になってはいけない」と主張する。

 官僚的な参謀役が大勢いても会社はダメになるだけ、中期経営計画を作らず「魂胆」を置くべき、などの指摘は多くの日本企業に有益な指摘だろう。表現が多少過激な部分もあるが、日本企業を再生させたいという筆者の熱い思いが伝わる。 

もう終わっている会社

もう終わっている会社
古我 知史 著
ディスカヴァー・トゥエンティワン発行
1575円(税込)