現在、ビッグデータ活用ビジネスで先頭を走る分野の一つがネット広告配信だ。ウェブブラウザーからの情報を基にユーザーの閲覧の履歴や検索キーワードを分析することで、次に打つべき手が見えてくる。

 ネット広告配信分野で頭角を現している1社が、オプトとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が共同出資するPlatform IDだ。

 現時点で、閲覧履歴などの情報を確認できるウェブブラウザー数は1億4000万を超える。ここから集めた情報で利用者の興味を推定し、グループ分けしてそれぞれに適した広告を配信する。これまでは130種類の顧客グループを設定していたが、近く1500種類にまで拡大する。

 PlatformIDの湯浅巌取締役は「ユーザーの興味をより的確に把握でき、広告配信の精度をより高められるようになる」と説明する。「顧客グループを細かく分けて分析したところ、“Aという洋服ブランドのファンはゴルフも好き”といった未知の相関関係が分かってきた」(湯浅取締役)。

 今後は、CCCが運営するTSUTAYA会員の利用履歴などと組み合わせて、配信精度をさらに向上させる。ただやみくもにデータを収集しようというわけではない。「ユーザーのプライバシーや世論に配慮しながら、一つひとつの施策を検討していく」と湯浅取締役は話す。