今、アプリマーケットで最も高い売り上げを上げているのは、基本料無料でアプリ内課金を採用したアプリであることは、多くの人がご存じだろう。だがそうしたアプリ内課金型のアプリにおいて、実際どれくらいの価格帯のアイテムが売れ筋となっているのかは、あまり知らないという人も少なくないのではないだろうか。

 そこで今回は、App Storeの「トップセールス」から、売上ランキング上位のアプリでどれくらいの価格帯のアイテムが人気となっているのかを調査。高い売り上げを達成しているアプリのアイテムの価格動向について探ってみよう。

アプリ内課金でユーザーはどれくらいの金額を支払っているのか?

 現在、各アプリマーケットの売上ランキング上位を占めているアプリの大半は、アプリ自体は無料で、アプリ内で有料のアイテムやコンテンツを購入させる“アプリ内課金”を採用したものとなっている。しかもその多くを、ゲームコンテンツが占めているというのも、非常に特徴的な傾向といえるだろう。

 “基本料無料でアプリ内課金”というスタイルを採用するゲームアプリの盛況ぶりは、アプリマーケットの外からも見えてくる。そのよい例が「パズル&ドラゴンズ」だ。

写真1●ガンホー・オンライン・エンターテインメントの2012年12月期決算説明資料の一部
写真1●ガンホー・オンライン・エンターテインメントの2012年12月期決算説明資料の一部
「パズル&ドラゴンズ」などスマートフォン向けゲームの好調で業績を大幅に伸ばしている。
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 同アプリは、App Store、Google Playともに売り上げランキングのトップを数多く獲得していることで知られているが、パズル&ドラゴンズを提供しているガンホー・オンライン・エンターテインメントは、2012年12月期の決算で売上高が対前年比で約1.7倍、営業利益が前年比で約7倍となるなど、同アプリをはじめとしたスマートフォン向けゲームアプリの売り上げ好調で、業績を大幅に伸ばしていることが分かる(写真1)。

 そのため最近では、ゲームアプリを中心としてアプリ内課金を採用したものが大幅に増えている。一方で気になるのは、ユーザーがそうしたアプリを利用するうえで、どの程度の金額を支払っているのかということだ。総量的な動きはランキングから見えてくるものの、個々のアプリ内での消費動向については、確認することができない。

 そこで今回は、App Storeでアプリ内課金の動向を知ることができる個々のアプリの「トップアドオン」に着目。トップセールスのランキングで上位にランクしているアプリの、トップアドオンに入っているアイテムの価格を確認することで、ユーザーがどの程度の金額をアイテムに消費しているのかを探ってみる。