今の日本企業が最も必要としているものは、資金でも技術でもない。エース級の人材だ。理由は明白。多くの業界や企業で、過去にエースとされていた人材像が、時代に合わなくなってきたからだ。

 では、新時代のエースに求められる条件とは何か。

 一言で言えば、ITを使ってビジネスにイノベーションを起こすことだ。新しいビジネスを立ち上げるだけでなく、既存事業を倍速で動かし、次世代の育成にも心を配る。そして周囲にポジティブな影響を与え、暗く垂れ込めた閉塞感を打破していく。企業が成長を続けるには、そうした資質を備えたエースが欠かせない。

 新時代エース育成への第一歩を踏み出すには、求められる「資質」を理解する必要がある。そこで大いに参考になるのが、IT業界の最前線で活躍する超一流のエースたち。彼ら・彼女らは、何を武器としているのか。過去にどんなターニングポイントがあったのか。楽天、サイバーエージェント、野村総合研究所、富士通のエースに聞いた。(文中敬称略)