NTTグループが、首都圏でのデータセンター(DC)建設を加速している。主役はNTTコミュニケーションズとNTT東日本で、JR山手線の駅から近い交通の便の良い地域に、延べ床面積1万平方メートル前後の施設を、ほぼ毎年開業している。NTTデータやNTTコムウェアも既存の施設を改装し、サーバーの収納台数を増やしている。

主役はNTTコミュニケーションズとNTT東日本

 NTTグループには、DC事業を営んでいる企業が複数存在する。最も規模が大きいのは、システムインテグレーターであるNTTデータで、日本全国にDCを17カ所展開し、延べ床面積の合計は66万平方メートルにも達する。このほか、通信事業者であるNTTコミュニケーションズ、NTT東日本、NTT西日本の3社や、旧電電公社のDC用建物を多く引き継いだNTTコムウェア、NTT PCコミュニケーションズなどもそれぞれDC事業を展開している。

 もっともNTTデータは近年、DCの新設をしていない。NTTコムウェアも既存施設の活用が中心で、新設には動いていない。近年、勢いがあるのはNTTコミュニケーションズとNTT東日本だ。

写真1●NTTコミュニケーションズの東京第5データセンター
写真1●NTTコミュニケーションズの東京第5データセンター
[画像のクリックで拡大表示]

 2011年には、NTTコミュニケーションズが延べ床面積1万3227平方メートルの「東京第5データセンター」(写真1)を東京都文京区に開業した。そのほか、同じ2011年にNTT東日本も「練馬DC」(東京都練馬区)と「蔵前DC」(東京都台東区)を増築している。

 2012年にはNTT東日本がサーバールーム面積で3100平方メートルの「駒込DC新棟」(写真2)を東京都文京区に開業している。そして2013年にはNTTコミュニケーションズが「東京第6DC」(写真3)を、東京都北区に開業する予定だ。

写真2●NTT東日本の駒込データセンター新棟
写真2●NTT東日本の駒込データセンター新棟
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●NTTコミュニケーションズの東京第6データセンター
写真3●NTTコミュニケーションズの東京第6データセンター
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTコミュニケーションズは2003年に、経営難に陥ったクロスウェイブコミュニケーションズ(当時)が横浜市などに所有していた大型DCを買収しており、それ以降はしばらく、首都圏でDCの新設をしていなかった。大型DCの建設は、シンガポールや香港などの海外が中心だった同社も、2011年から都心でのDC投資を再開した。