写真●連結業績予想の下方修正を発表する富士通の山本正已社長
写真●連結業績予想の下方修正を発表する富士通の山本正已社長
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　先週から今週末にかけて、大手IT企業の2012年度第3四半期決算が出そろった。

　大手コンピュータ・メーカーでは、富士通が半導体事業を再編するために巨額の特別損失を計上して、2013年3月期の連結業績予想を最終赤字950億円に下方修正した。併せて、半導体事業の再編に伴って約4500人を新会社へ転籍させること、半導体事業以外でも約5000人の人員削減に踏み切ることを明らかにした。

　その一方でNECの2012年4～12月は、売上高が前年同期比2.7％増の2兆1698億円、営業利益は718億円の増収増益となった。前年同期に巨額の赤字（975億円）を計上した最終損益も114億円に黒字転換。特に10月-12月は、「ITソリューション」「キャリアネットワーク」「社会インフラ」「パーソナルソリューション」の主要4セグメント全てで増収増益を達成した。

KDDIとソフトバンクは増収増益、NTTドコモは増収減益で明暗分ける

　大手通信事業者ではKDDI、ソフトバンクが増収増益だったのに対し、NTTドコモは増収減益と、やや明暗を分ける格好となった。

　NTTドコモの2012年4～12月の売上高は前年同期比で6.2％増の3兆3707億円、営業利益は同5.6％減の7021億円。NTTドコモでは、販促費の増加、ドコモクラウドなど新規ビジネスへの投資がかさんだことで減益となったとしている。

　これに対して、KDDIの2012年4～12月の売上高は前年同期比2.5％増の2兆7106億円、営業利益は同3％増の3956億円の増収増益。同じくソフトバンクの4～12月の売上高は前年同期比4.7％増の2兆5097億円、営業利益は同12.6％増の6001億円。決算の説明会場に姿を見せたソフトバンクの孫正義社長は、「遂にNTTドコモに並ぶ姿が見えてきた」と好調な業績をアピールした。