第4回はGUI デザインを行うもう一つの方法として、Xcode 4.2から新たに搭載されたストーリーボードの使用方法について説明します。

ストーリーボードの概要

 Xcodeに組み込まれたInterface Builderを使う場合は、Nibファイルを使用して画面(ビュー)の遷移は基本的にユーザーがプログラムで記述する必要があります。それに対して、Xcode 4.2以降に搭載された「ストーリーボード」(Storyboard)を使用すると、複数の画面の遷移をグラフィカルに構築できるようになります。

 ストーリーボードでは、個々の画面を構成する「ビュー」と「ビューコントローラ」の組み合わせを、「Scene」(シーン)として管理しています。シーンからシーンへの切り替え時の視覚効果を「Segue」(セグエ)として設定できます。Segueとは、音楽でよく使用される用語で「楽曲などを切れ目なく続けて演奏する」といった意味になりますが、デフォルトで「スライドアップ」や「フリップ」といったシーン切り替え時のアニメーションが用意されています。

 実際に2つのシーンをSegueによって切り替えてみましょう。

1 ストーリーボードを使用するための準備

「File」メニューから「New」→「New Project」を選択して、テンプレートから「Single View Application」を選択し、「Use Storyboard」をチェックしたプロジェクトを作成します。例では「Product Name」を「StoryboardTest」に、ファイル名の接頭辞となる「ClassPrefix」を「Main」に設定しています。

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2 ストーリーボードを使用するための準備

ここでは「MainStoryboard.storyboard」という名前になります。エディタエリアにTARGETSの「Summary」を表示すると、メインのストーリーボードの設定である「Main storyboard」に「MainStoryboard」が設定されていることがわかります。

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