アプリマーケットに流通する有料課金アプリには、さまざまな値付けがなされている。100円未満のものから、数百円、数千円に至るアプリまで存在しており、その価格はまちまちだ。

 アプリのジャンルによっては高額でも売れるものがある。一方で、どのアプリも低価格で販売されており、高額では売れないジャンルもある。そこで今回は、カテゴリ別の有料アプリの価格動向を調査し、アプリ内容に応じてどのような価格戦略をとるべきかを考えてみたい。

各カテゴリにおける有料アプリの価格帯を調査

 有料課金アプリでビジネスをするうえで、アプリの値付けは非常に重要な要素となる。価格が安ければその分多くの人の購入を期待できるが、数を多く売らなければ収益を確保しづらい傾向にある。一方で価格を高くするとその分購入のハードルは上がるが、1本当たりの売上は大きく、収益を見込みやすくなる。

 アプリは元々リアルな商品のように何らかの実体があるわけではなく、開発工程もさまざまであるため、その値付けは難しい。そこで参考となるのが、現在自分が提供しようと思っている分野のアプリが、アプリマーケット上でどれくらいの価格が付けられているかということだ。有料課金アプリの価格は、どのアプリも一律という訳ではなく、アプリの種類によって傾向が異なり、高額のアプリが多いジャンルもあれば、低価格のアプリで占められているジャンルもある(写真1)。

写真1●アプリマーケットにおける有料課金アプリの価格は、ジャンルや内容によって大きく異なる
写真1●アプリマーケットにおける有料課金アプリの価格は、ジャンルや内容によって大きく異なる
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 そこで今回は、アプリマーケットの各カテゴリにおける、有料課金アプリのおおまかな価格帯を調査・確認した。カテゴリ毎の有料アプリの価格動向を知るだけでなく、なぜそのカテゴリに属しているアプリの価格が高額、あるいは低額となるのかも考察する。

 調査方法は次の通りだ。まず、App Store、Google Playに設けられているそれぞれのカテゴリにおいて、各カテゴリに属している有料課金アプリのランキング上位20位の価格を調査し、平均額を算出。その平均額から、どのカテゴリに属しているアプリが高額でも流通しているかを比較することとする。