昨年発行した「Androidセキュリティ・バイブル2012」を大幅に改定し、最新情報を盛り込んだ本。機能向上が急ピッチで進むAndroidゆえに、1年前の情報は古くなりかねない。本書はそんなAndroidの最新の話題、例えばAndroid 4.2のセキュリティの最新情報、スマートフォンのプライバシー問題と解決の方向性、セキュアブートを実現する「TPM」(Trusted Platform Module)など、各界の第一人者がポイントを踏まえて執筆している。

 特に興味深いのが第3章の「開発進むセキュアOS」だ。Androidのアプリはアプリごとにプロセスが分離されたセキュアな実装となっているが、悪意あるアプリにroot権限を取られると、この仕組みは無力化されてしまう。そんなroot化を防ぐ機構について、LSM(Linux Security Modules)の利用、SELinux、SEAndroidの詳細、TPMの仕組みなど、かなりマニアックに掘り下げている。

Androidセキュリティ・バイブル 2013

Androidセキュリティ・バイブル 2013
日経エレクトロニクス/日経コミュニケーション編
日経BP社発行
3万6000円(税込)