ITベンチャー企業の社長でアルファブロガーでもある著者が、5年間にわたって書いたブログを編さんした書籍である。何より、ソーシャルメディアがもてはやされている中で、このタイトルは目を引くだろう。ソーシャルメディア/ソーシャルゲームの実情が赤裸々に語られていて、表面的な数字などには信用できない側面があることが、よく伝わってくる。

 ただ、実はこの本、全編を通じてソーシャルメディアがテーマというわけではない。ソーシャルメディア関連は、第1章の「ソーシャルもうええねん」だけ。1章が本書の半分を占めるものの、残り半分はソーシャル以外のテーマである。ここには主に、著者の体験談などを交え、起業家としての考え方がフランクにつづられていて、これが面白い。基本的に若者へのメッセージだろうが、本書で言うところの“オッサン”たる自分でも、元気をもらったような気がした。

ソーシャルもうええねん

ソーシャルもうええねん
村上 福之 著
ナナ・コーポレート・コミュニケーション発行
980円(税込)