仕事に欠かせない連絡手段である「メール」。ビジネスパーソンなら毎日、何十、何百通のメールを受送信していることだろう。友人となら「LINE」や「iMessage」「Facebook」のメッセージなど気軽な連絡方法を使うケースも増えている。しかし、仕事となると話は別。まだまだメールが主体である。そこで問題になるのが、どんなメールアドレスを使うかだ。

 会社に勤めている人なら、会社から仕事用のメールアドレスを与えられるだろう。だが筆者のようなフリーランス業だと、自分でメールアドレスを調達しなければいけない。手軽さを重視するならGmailで仕事用のメールアドレスを作ればよいが、「@gmail.com」というメールアドレスをメーンに使うのは気が引ける。このようにして考えていくと、最終的には「自分だけの独自ドメインメールを使いたい」という結論に達するのだ。

 しかし、独自ドメインメールなんて考えるだけで面倒くさそうだ。きっと、ものぐさな筆者の性分にも合わない……と思い、これまで実行できずにいた。今回、そんな重い腰をようやく上げることにした。きっかけは、「Google Apps」の有料化だ。独自ドメインを登録すると、GmailやGoogleカレンダーなどを無料でも使えるという、懐に優しいサービスだったが、グーグルは2012年12月に無料版Google Appsへの登録を打ち切り、同期サービス「Google Sync」も2013年1月31日で運用が停止された。iPhoneやiPadでは、Microsoft Exchangeを使い、カレンダーなどをリアルタイム同期させているので、運用の停止は大問題なのだ。

 考えた解決策は、有料版Google Appsを契約すること。なぜなら、有料版Google Appsなら、引き続きMicrosoft Exchangeが利用できるからだ。1カ月600円、年間払いなら6000円と運用費用はかかるのは痛いが、使い慣れた環境を維持でき、さらに念願の独自ドメインメールを導入できるから、ある意味よいきっかけだと前向きに考えてみた。

独自ドメインでGmailやGoogleカレンダーを利用できる「Google Apps」。現在は有料登録のみで、料金は1カ月600円(年間契約なら6000円)
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 通常なら、「早速、ドメインを取得しよう……」という話に移るわけだが、実をいうと筆者は、すでにドメインをいくつも所有している。現時点では「.com」のドメインが4つ、「.jp」のドメインが1つの計5つある。いつか株式会社を立ち上げるかもしれないし、独自ドメインでWebサイトやブログを始めるかもしれない……と思うことが数回あり、思いつくままにドメインを取得してきた。5つのドメインを持っていても、comドメインは約1000円(1年間)、jpドメインは約3000円(同)を支払えば利用できるため負担は少ないのだ。

 ドメイン自体は、最大手の「お名前.com」などを使えば簡単に取得できる。利用したいドメイン名で検索し、空いていれば即契約だ。15分もあれば完了するだろう。ドメインの取得自体は、オンラインサービスの会員登録する作業とほぼ変わらない。

ドメインの取得と管理ができるオンラインサービス。数ある中、今回は大手の「お名前.com」を利用した
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