仕事の資料や取り引き先の人の名刺、さらには経費の領収書まで、大事な書類の整理に使っているドキュメントスキャナー。いろいろな機種を7、8年使ってきたが、久しぶりに“感動もの”の機種と出会った。それは、先日発売されたばかりのPFUの「ScanSnap iX500」だ。

 ScanSnapといえば、ドキュメントスキャナーの定番シリーズ。筆者は歴代のScanSnapを愛用してきた。当時はパソコンとつないで使う周辺機器だったが、今や接続先はパソコンだけではなくなった。iPhoneやiPadなどのiOS端末、そしてタブレット端末も増えてきたAndroidへ、直接取り込んだ書類データを転送できる。

ドキュメントスキャナーの定番「ScanSnap」シリーズ。PFUは2012年11月下旬に「ScanSnap iX500」(実勢価格5万2800円前後)を発売した。約3年半ぶりとなる最上位機のフルモデルチェンジだ
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iX500に搭載された「G1」プロセッサー。これまでスキャンした書類の処理は、パソコン上で行っていたが、G1プロセッサーを搭載したことでパソコンを使わずにScanSnap上で処理できるようになった
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 最新のScanSnap iX500は、Wi-Fi機能を搭載。Wi-Fiルーターと直接接続できる。iOSやAndroid端末に、ScanSnapの専用アプリをインストールし、同じWi-Fiルーター(ネットワーク内)に接続すると、アプリが自動的にiX500を認識。iOSやAndroid端末から、スキャンの指示をしたり、取り込んだデータを受け取れる。この連携が実にスムーズ。本体に書類をセットし、画面上のScanボタンをタップすると、一瞬の間もおかずにスキャンが始まる。ネットワーク越しではなく、ケーブルでつながっているのでは……とさえ思わせる連携ぶりだ。

Wi-Fi機能を内蔵したiX500。Wi-Fi機能の「オン・オフ」スイッチと、Wi-Fiルーターとの接続設定に使える「WPS」ボタンを背面に備える
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 ドキュメントスキャナーは、2010年にiPadが登場して以来、急速に販売台数が伸びている。背景には“自炊”と呼ばれる、紙の本を自分でPDFなどに取り込み、タブレット端末で楽しむ人たちが増えてきたことがある。自炊までの本格的なことはしなくても、紙の書類をPDF化してタブレット端末に取り込み、閲覧したいという人は多いだろう。筆者のスタンスも後者の方だ。冒頭に述べたように、膨大な資料や名刺、領収書をデジタル化して管理したいと考えている。

 今回、iX500を手に入れたことで考えたのが、動作が軽快なタブレット端末だけで書類を整理していく方法だ。もちろんパソコンでも閲覧できるように、取り込んだ書類データの保存先にはクラウドを利用する。こうした作業環境が整えば、自宅に帰ってからパソコンを起動せずとも、書類の整理ができるのだ。今回は、そんなPCレスの書類整理術を実践してみたい。