ソニーが2012年9月21日に発売した電子書籍端末「PRS-T2」(実勢価格9980円)。筆者は2011年に発売された「PRS-T1」を愛用してきたのだが、新機種に搭載された“ある機能”に魅了されてしまった。その機能とは、本来なら電子書籍とは関係がない、クラウドサービス「Evernote」との連携機能だ。

左側がReaderの最新端末「PRS-T2」。音楽再生などの機能は省かれたものの、右側の前モデル(PRS-T1、発売当初は1万9800円だった)の半額、9980円で発売されたことで注目されている
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 筆者が注目したのは、Evernote上で管理する特定のノートブック(Windowsでいうフォルダー)を、Reader端末と同期(ダウンロード)できるという部分。このように書くと、単なるEvernoteにメモしたことをReaderで読めるだけ……と思う人もいるだろうが、実は大きな可能性を秘めている。

 いろいろあるEvernoteの用途の1つに、Webページを丸ごと(またはページの一部分)保存する“Webクリップ”がある。Evernoteには、Webクリップ用の機能も用意されていて、個人的には重宝してきた。わずか2クリックで、パソコンのブラウザーで開いたWebページをEvernoteへ保存できるからだ。このときクリップしたWebページは、専用のノートブックに保存するように設定してある。下準備の整っている筆者から見ると、新型ReaderのEvernote機能は魅力的に映った。新型Readerであれば「これまでため込んできたWebページを、しかもオフラインで読めるではないか!」と思ったわけだ。

 Readerにはブラウザー機能もある。Webページを読もうと思えばできたのだが、当然ながらインターネット環境が必要だ。さらにWebページの読み込みに時間がかかり、表示されるページもパソコンと同じで読みやすいとはいいがたかった。Evernoteと連携する新型Readerは、こういった欠点が解消される。データはメモリー内にあり、取り込んだ記事の本文や画像だけを表示できるのだ。

 今回、端末を借りてテストしたのだが、あまりに快適だったので自腹でも購入してしまったほど。今回は電子書籍端末の使い道としては変則的だが、PRS-T2でWebページを快適に読む方法を紹介したい。