改めて言うまでもないが、この3~4年で企業のソーシャルメディアとの付き合い方は大きく変わり、積極的に活用するケースも増えてきた。企業が公式Twitterアカウントや公式Facebookページを開設することそのものが、プレスリリースを配信するようなビッグイベントだったころのことを考えると、ある意味で隔世の感がある。

 このように企業が積極的にソーシャルメディアを活用するようになった昨今、「では企業のCEOはどうなのだろう?」という疑問をもつ人もいるだろう。その疑問に対する調査結果が先日、アメリカのPR会社であるウェーバー・シャンドウィックから発表された。

フォーチュン500のCEOについてSNSへの露出度を調査

米ウェーバー・シャンドウィックが発表した「Socializing Your CEO II」
米ウェーバー・シャンドウィックが発表した「Socializing Your CEO II」
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 これは「Socializing Your CEO II」」と題したもので、簡単に概要を説明すると、昨年6月から8月にかけてフォーチュン・グローバル500にリストされている上位50社(米国:15社、ヨーロッパ:21社、アジア:11社、南米:3社)のCEOが、ソーシャルメディア上に、どの程度自分自身をプロアクティブに露出しているかを調査したものである。

 例えばFacebookのプロフィールを、その詳細な略歴とともにgoogleで検索可能な状態として公開しているかといった点や、企業の公式YouTubeチャネルに公開されている動画にCEO自身がどれだけ出演しているか、あるいはブログや、Google+、Pinterestのアカウントの有無など、多くのチェック項目が存在する。これらのチェック項目に数多く該当するCEOは「ソーシャルCEO」ということになるらしい。

 では世界の「ソーシャルCEO」事情を少し覗いてみよう。結論から言ってしまうと「ソーシャルCEO」といえる人は、実はそれほど多いとは言えない。

 今回の調査でピックアップされたうち、ちょうど半数のCEOが、自社サイトに、その名前やプロフィールを掲載する以外に、何らかの形で露出しており、さらに40%が動画にも登場している。だが、ソーシャルメディア上に参加している割合となると、18%、つまり5人に1人よりも少ない状態となってしまう。

 ちなみに、2年前にも同様の調査を実施している。2年前と現在の結果を比較すると、見えてくる側面がある。自社サイトに、名前以外の何らかの形で露出している割合、そして動画に登場する割合は2年前と比して増加しているものの、ソーシャルメディアへ参加するCEOの割合は、ほぼ横ばいのままとなっている。つまり、インターネット上に露出するCEOは全体として増加傾向にあるが、それがソーシャルメディア上にまで及んでいるとはいえないというのが現状なのだ。