今回の投稿でブランク氏は、アントレプレナー(起業家)が輩出されやすい環境について語っています。新しい発想や正論を抑圧する国では、世の中を変えるような革新的なものを創り出す起業家は生まれないと分析しています。国を「企業」と置き換えると、革新的な製品を出し続ける企業とそうではない企業の違いが分かるかもしれません。(ITpro)

 「クレージーな人、 はみ出し者、反逆者、問題児、規制にはまらない人、物事を別の観点から見る人、規則を好まない人、そして現状維持を全く望まない人たち。彼らの言葉を引用しても良いし、不賛成でも良いし、賛美しても良いし、けなしても良いのです。ただ一つ不可能なことは、彼らを無視することです。と言うのは、彼らは世の中に変革をもたらすのです。人類を進歩させるのです。ある人たちは「クレージーだ」と彼らを見なすかもしれませんが、私たちは彼らを天才だと見なします。自分がこの世を変えられると思うほどクレージーな人たちこそ、この世を変えるのです」

 これは、1997年の米アップルのテレビCMから引用したものです。

 アーティストや反対者を牢獄に入れる国々は、アントレプレナー文化を決して創成できません。それらの国々は、性能がさらに良いだけの機器を作るか、他国のビジネスモデルを真似するかが精一杯の 国に成り下がります。

反体制派としてのアントレプレナー

 スティーブ・ジョブス氏が米アップルに戻って来たとき、「Think Different」( 違った考えをしよう)という、輝かしいマーケティング・キャンペーンを採用しました。アップルの中核となる顧客に「アップルは、ブランドを確立するために今でも戦っている」と信じさせたのです。

 しかし振り返って考えると、この広告はそれよりもっと深遠な何かをとらえていました。

 クレージーな人、はみだし者、反逆者、問題児――。こうした人たちを英雄として賞賛するには、そのような人たちを許容し、意見を異にすることを促すような国と文化が必要です。

 なぜなら、反対意見がなければ創造性は生まれないからです。

 アントレプレナーを奨励しながら反体制派を抑圧する国は、競争では不利な立場に追いやられるでしょう。