チームラボはWebサイトだけでなく、案件によってはスマートフォンアプリやWebアプリ、さらにはハードウエアも企画・開発する。その中で音や光を使った“非言語”によるコミュニケーションを志向したソリューションとして同社が企画・開発したものに「teamLabBall」や「teamLabSocialInstrument」がある。前編に続き、後編は同社が手掛けたこうした“非言語化”の新たな試みなどについて、引き続き同社のCatalyst Div. Marketing Directorの中村洋太氏に聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=ITpro

ハンガ―そのものを作ってしまうなど、様々なソリューションを提供している。そのほかどのような例があるのか。

写真1●すべてのボールの色が触っているボールの色に変わる「teamLabBall」
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 例えば「ライブ体験、イベント体験を豊かにしたい」ということを考えて作ったものに、「teamLabBall」(チームラボボール)がある(写真1)。複数の光るボールが同期しており、すべてのボールの色が触っているボールの色に変わる。

 今まで“ライブ”というと、「アーティストのパフォーマンスを見る」という(受け身の)ものだった。だが、このボールに触ると空間自体が変わる。ライブの参加者自身が空間演出に参加できる。これまでと全く違うライブ体験ができて、かつ誰でも操作できて、自分でも操作しているという実感も持てる。いっしょに空間を作るという感覚が生まれる。

 ライブ会場やイベント会場で什器に触るということはこれまでなかった経験になる。触ったら色が変わる、というシンプルなシカケだが、ライブやイベント体験をよりリッチなものにしたいという解決策の一つがこのteamLabBallだった。