第1回に続き、楽天のモバイル戦略を担っている同社編成部 モバイル戦略課 課長の筈井昌美氏と、同課 モバイルUI & UXグループ モバイルUI & UXチーム チームリーダー 脇阪善則氏にマルチデバイス時代のUX/UIについて聞いた。アプリのプリインストール戦略を進めているという。

(聞き手は大谷 晃司=ITpro

スマートフォン/タブレットについて、都市部と地方で反応の違いはあるか。

 地方の出店者の方に、スマートフォン/タブレットからの流通総額が伸びてきていることは、数字的には理解されている。だが、まだまだPCでの商売を基本に考えているマーチャントの方が多い。われわれも地方に行き、スマートフォン/タブレットが重要であるという話を継続してしている。

 流通総額の20%はスマートフォン/タブレット経由とはいえ、現状は都市部、首都圏エリアが中心。地方はデバイスの普及台数に比例していくと思っている。ただ、スマートフォンの普及という点では都市部が先行していたが、Androidが出てきてからそのあたりのプロポーションが変わってきており、今後地方も伸びていくと考えている。

スマートフォン/タブレット以外のデバイスへの展開は。

 スマートテレビが挙げられるだろう。そこで見せるUX/UIは変わってくる。現状のテレビのリモコンではサービスを使いづらい面もある。こうした使い勝手も変えなければならないし、大画面なりのUIを提供しなければならない。テレビの中のUIについては「いつ」とは言えないが取り組んでいく。詳しいことは未定だ。

 テレビの場合、例えば番組と連動するようなことができるかもしれない。番組で提供されているものが、スマートフォンから楽天市場ですぐに注文できるという展開も面白いと思う。ネットショップとテレビの親和性は高いとよく言われる。われわれは生活に密着した商品を扱っている。様々なデバイスに応じて、それぞれに最適なサービスを展開していける。