平成24年度秋期試験の出題傾向を見て行きます。出題のジャンルごとの配分や難易度は、前回の試験とほぼ変わりません。ただし、初出題の午前問題や過去に出題されていないテーマの出題もあり、広範囲な知識を求められます。

 試験の出題分類や時間、合格基準、実際の過去問題などは情報処理推進機構のサイトをご覧ください。

■午前試験の出題傾向

 平成24年度秋期の午前試験の問題を、分野別に分類したのが次の図です。

図1●平成24年度秋期の午前試験の分野別出題割合
図1●平成24年度秋期の午前試験の分野別出題割合

 例年通り、試験センターが公表している出題範囲からまんべんなく出題されています。出題傾向と対策を解説します。

1.基礎理論(7問)

 新規性の高い出題はなく、過去問題もしくはその流用が中心でした。しかし、1問1問は解答に時間がかかる問題が多く、知識よりもその場で考える思考力を要求されます。解答予定時間を決めてから取り掛かると、後の問題の解答時間が足りなくなるなどの事故を防げます。

2.コンピュータシステム(18問)

 コンピュータシステムも、新規の問題はEclipseの問題(問21)くらいです。過去にほとんど同じ問題や、同じテーマの問題が出題されています。過去問題を解くことができれば、十分解答できる問題ばかりです。計算問題を含めて、しっかりと押さえておきましょう。

3.技術要素(18問)

 データベース分野とネットワーク分野は、出題範囲が広い割には、午前試験での出題が少ないです。しかし、午後試験でも出題されるテーマなので、基礎知識の整理を兼ねて、午前試験の過去問題に取り組んでおきましょう。セキュリティは、出題数が2倍に増えました。過去に出題のない問題(DNSキャッシュポイズニングの問37)もあるため、最近のセキュリティ用語なども押さえておくとよいでしょう。

4.開発技術(6問)

 過去に何度か出題されているテーマばかりでした。すべて解答できるようにしておきましょう。

5.マネジメント系(10問)

 プロジェクトマネジメントに関しては、スケジューリングや見積もりなど頻出テーマの出題でした。プロジェクトマネジメントの分野も広いですが、アローダイアグラムや工数見積もりの計算問題は頻出ですので、日程管理、進捗管理にテーマを絞って学習してもよいでしょう。

サービスマネジメントはITILと監査の出題が中心です。この2分野も出題数は少ないのですが、実際の出題テーマが広範囲にわたって学習に取り組みにくい面もあります。この分野をまんべんなく学習しようとすると、かなりの学習時間を必要としますから、過去問題を中心に学習するのが得策でしょう。他の分野よりも得点率が低くても仕方がありません。

6.ストラテジ系(20問)

 ストラテジでは、用語の知識を問われる出題が多くあります。今回は20問中6問が単純に用語を知っているかを確認する問題でした。さらに、5問が用語について、もう少し詳しく知っているかを問う(○○の目的は何か、など)問題でした。

デジタルデバイド、コストプラス法は新規ですが、それ以外は既出テーマでした。また、計算問題も多く出題されますが、頻出テーマの問題が中心です。この分野は、過去問題の演習で高得点が期待されることと、出題数が多いことから、得点源となるように学習しましょう。