先週の2013年1月18日、アドビシステムズがデジタルマーケティングソリューション製品群「Adobe Marketing Cloud」の新ソリューションとして「Adobe Social」の日本での提供開始を発表した。この製品は、企業がFacebook、Twitter、Pinterest、Google+といったソーシャルメディア、さらにブログを運用する際に必要となる様々なオペレーション、そして分析を一元管理するためのものになる。

 このようにまとめて一言で説明してしまうと、「また新しいソーシャルメディア向けのツールが出てきたのか」という印象しか感じられないかもしれない。だが、この新しいソリューションを細かく見ていくにしたがい、「ソーシャルメディア」という大きな流れを取り巻くプレイヤーにとって少なからずインパクトを与えるものであり、特に大企業におけるソーシャルメディアマーケティングに関して、今後のオペレーションや分析面での変化をもたらすものだと、個人的には考えてきている。

複数SNSについてリスニングから効果測定までトータルで管理可能

 実際に筆者自身でも「Adobe Social」を使ったことがある。その経験から、大企業においてソーシャルメディアマーケティングを実践していく際に課題となってくる「リスニング」、「ガバナンス」、そして「効果測定」という三つの大きな課題に対して、少なくとも現時点で最も適切であろうと思われる解を導き出してくれるのではないかと感じている。

 もちろん、これまでも「リスニング」や「ガバナンス」、そして「効果測定」のそれぞれに関して適したソリューションと考えられるものは存在していた。だが、これら全てが高いパフォーマンスで、かつ同居しているソリューションとなると話は別である。

 ソーシャルメディアの世界で、自分たちが、どのような形で語られているかを的確に「リスニング」した上で、的確な「ガバナンス」の下にソーシャルメディア上でメッセージを発信し、その「効果測定」を実施して、コミュニケーション活動のパフォーマンスをさらに向上させる、という一連の流れが一つのソリューションとして行える。つまり同一のツールを用いた一連のタスクとして考えられることは、実際に企業のマーケティングの現場でソーシャルメディアと相対している立場からしてみれば、非常に大きな意味がある。