医薬品ネット販売のケンコーコムは2013年1月11日、一般医薬品の第1類、第2類の販売を再開した。同日、一般医薬品のネット販売規制に関する裁判で、最高裁判所が国の上告を棄却したことで、ケンコーコムら被上告人の勝訴が確定したことを受けたものである(関連記事)。

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 販売再開は、ほほ3年半ぶりのこととなった。同社は医薬品販売に対する規制によって、年間で約5億円の売り上げ減少を強いられていたとする。同社の株価は11日、前日比で26.67%と大きく上昇している。

 2009年6月に施行された改正薬事法における「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」で、一般用医薬品のネット通販が規制された。

 そこでケンコーコムとウェルネット(横浜市栄区)は、第1類、第2類医薬品を郵便などの販売方法により販売する権利があることの確認と、省令の取り消しを求めるための行政訴訟を起こした。一審では国が勝訴、控訴審では2社が勝訴し、これを受けて国が最高裁へ上告していた。

 最高裁の判決が出た11日、ヤフーも「Yahoo!ショッピング」で一般用医薬品の取り扱い拡大に向けた準備を開始すると表明。また、楽天の三木谷浩史会長兼社長が代表理事を務める新経済連盟は、「当判決を歓迎します」とのコメントを発表した。

 ケンコーコムの後藤玄利社長が理事長を務める日本オンラインドラッグ協会は同日、「一般用医薬品のインターネット販売に関するガイドライン」を発表した。医薬品のネット販売の安全性を担保するために、ネット販売する薬局または店舗が取り組むべき対策を明確にしたものという。今後、医薬品のネット販売市場が活況を呈しそうだ。