科学的マネジメントの最前線

 ドラッカーやポーター、クリステンセン──。日本のビジネス界ではこうした「大御所」の経営理論が重視されがちだ。米国のビジネススクールで教鞭を執る著者は、こうした現状に異議を呈し、海外の経営学の最新動向を解説。現在の経営環境でどのように生かすべきかを考察する。

 1例がイノベーション。クリステンセンの唱えた「破壊的イノベーション」に続き、現在は知の探索と深化のバランスを保つ「両利きの経営」がキーワードとなっていることを指摘。知のポートフォリオを意識した提携や、社員が両利きの経営を意識するような企業文化の醸成に関する研究が進んでいるとする。カシオのデジタルカメラ開発などの例を引きながら、イノベーション促進の理論的背景を分析する。

世界の経営学者はいま何を考えているのか

世界の経営学者はいま何を考えているのか
入山章栄著
英治出版発行
1995円(税込)