サービス変革の起こし方を解明

 「従来型のものづくりは限界。サービス化を進めよ」という主張はよく聞く。だが具体的かつ有力な方法論はなかなか出てこない。この難題に、「オープンイノベーションの父」として知られる著者が挑んだのが本書である。サービス分野でイノベーションを展開するための発想法や顧客との関係性の在り方を、事例を交えつつ解説する。

 著者の挙げるポイントの1つは、稼働率の差に注目するというもの。顧客が自分で保有しても稼働させる機会が少なく、割高になってしまう製品に対し、同じ効用をサービスとして提供することを考えると説く。自動車であればタクシーやレンタカー、カーシェアリングなどがこれに当たる。他に示した3つのポイントも示唆に富む。

オープン・サービス・イノベーション

オープン・サービス・イノベーション
ヘンリー・チェスブロウ著
博報堂大学ヒューマンセンタード・オープンイノベーションラボ/TBWA博報堂 監修・監訳
阪急コミュニケーションズ発行
2310円(税込)