インターネットとWebによる情報革命がものづくりを変革し、「第三次産業革命」を実現する─。ベストセラーの「ロングテール」「フリー」を著したクリス・アンダーソン氏が、これまで「ビット」の世界だけで起きていた情報革命が、「アトム」の世界にも新潮流を引き起こしつつある諸相を記した書である。
 デザインのデジタル化や3Dプリンターなどの登場により、アイデアを世界中で共有しながら、デスクトップでのものづくりが可能になった。本書では、そうしたものづくりを行う人々を「メイカーズ」と呼ぶ。Web世界のキーワードだったオープンソースやロングテールも新たな意味を得た。
 本書ではことさら「メイカーズ」の良さを強調するが、ここでも大企業とオープンソースのせめぎ合いが繰り返されることになるだろう。ただ、本書がものづくりに新しい方向性を示してくれたことは確かだ。

MAKERS

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クリス・アンダーソン著
NHK出版発行
1995円(税込)
(Kindle版の税込み価格は1714円)