安価なマイコンボード「Arduino」とLinuxサーバーを組み合わせ、家電を制御します。出先でスマートフォンなどから手動でエアコンをON/OFFしたり、部屋の気温が高くなったとき自動でエアコンをつけたりします。ECサイトの特売情報もチェックして、目覚ましを鳴らします。

 2000円台からと安価なマイコンボード「Arduino」は、色々なセンサーを付けて周りの状況を調べたり、赤外線LEDを取り付けて家電のリモコンとして動かしたりできます(写真)。

 今回は、このArduinoボードとLinuxサーバーを連携させ、日々の生活をちょこっと便利にするシステムを作りました。目覚まし時計も兼ねる、インテリジェントな学習リモコンとして動作します。好みに合わせたカスタマイズも可能です。

エアコンを自在に制御

 今回のシステムは、大きく3つの機能を持ちます(図1)。1つ目は、出先からエアコンを制御する機能です。これから暑い夏、帰宅する30分前に外からエアコンをつけられると便利ですよね。うっかり消し忘れたときも外出先から消せるので、大きな節電効果があります。

図1●家電制御とサイトチェックをする今回のシステム<br>3つの機能を実現します。
図1●家電制御とサイトチェックをする今回のシステム
3つの機能を実現します。
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 2つ目は、自宅のエアコンを自動制御する機能です。ペットを飼っている方なら、真夏の自宅の気温は気になるところでしょう。今回のシステムを導入すれば、例えば35℃を超えたときだけ、エアコンをつけ、温度が下がれば自動的に消すことができます。部屋の温度はArduinoボードが収集してLinuxサーバーに報告。Linuxサーバーが温度をチェックして、必要に応じてArduinoをリモコンとして動かします。

写真1●今回のシステムのおかげでECサイトで入手した鮮魚
写真1●今回のシステムのおかげでECサイトで入手した鮮魚

 3つ目として、ECサイトの特売情報などを自動的にチェックして、目覚ましを鳴らす機能も盛り込みました。筆者は最近、早朝に東京湾で釣れた魚を直販サイトで購入し、当日さばいて夕食にするのを趣味にしています(写真1)。しかし毎朝6時台に釣れたかどうかをチェックするのは夜型人間には厳しく、よく買い逃していました。Linuxサーバーで毎朝サイトをチェックし、好みのものが売られていたら、Arduinoに付けたブザーを鳴らします。この目覚まし機能を付けてからほぼ買い逃しがなくなりました。