多くの人が長期休暇を迎える年末年始は、普段とは人の流れが大きく異なる時期でもある。その動向の変化は、現実社会だけでなくインターネット上のアクセス傾向の変化、そしてスマートフォンアプリのダウンロード傾向にも大きく影響してくる。
では実際、今年の初めにアプリマーケットにはどのような事象が起き、どのようなアプリが人気を獲得したのだろうか。元旦から1月5日までのApp Storeのランキング推移から、その動向を確認してみよう。
ゲームが人気を高めた有料課金アプリ
今回は、2013年の元旦から1月5日までの、App Storeの各種ランキングを対象とし、そのトップ5の推移から動向を探ることとする。まずは「トップ有料」のランキングから、有料課金アプリの人気動向の変化を確認してみよう(表1)。
アプリ名 | カテゴリ | 「トップ有料」ランキング順位 | ||||
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1月1日 | 1月2日 | 1月3日 | 1月4日 | 1月5日 | ||
音声通訳 Pro | ビジネス | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 |
ウィズダム英和・和英辞典 2 | 辞書/辞典/その他 | 2 | 5 | 6 | 5 | 4 |
SLOT牙狼 | ゲーム | 3 | 3 | 4 | 4 | 6 |
FIFA 13 by EA SPORTS | ゲーム | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 |
ドラゴンアイランドBLUE | ゲーム | 5 | 6 | 5 | 8 | 10 |
冒険ダンジョン村 | ゲーム | 15 | 2 | 1 | 1 | 1 |
Cycloramic | 写真/ビデオ | 14 | 29 | 30位未満 | 30位未満 | 5 |
表1では、1月1日から5日まで、ランキング上位5位にランクインしたアプリとその推移を記している。この結果から気が付くことの1つは、有料課金アプリでありながら、ゲームアプリが非常に多くランクインしているということだ。
表2に記したのは、それぞれ2012年の11月5日、12月3日の「トップ有料」ランキング上位の動向である。これを見れば、平常時はトップ有料のランキングに、ゲームアプリが多数ランクインするケースはそれほど多くはない。いかに年初は、ゲームアプリの人気が高かったかが分かるのではないだろうか。
順位 | アプリ名 | カテゴリ |
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1 | スゴイ便利帳 | 辞書/辞典/その他 |
2 | iPhone 5用高精細壁紙 | ライフスタイル |
3 | マイカレンダー | ユーティリティー |
4 | パチスロ キン肉マン ~キン肉星王位争奪編~ | ゲーム |
5 | 連絡先+ | ユーティリティー |
順位 | アプリ名 | カテゴリ |
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1 | 音声通訳 Pro | ビジネス |
2 | PicsPlay Pro | 写真/ビデオ |
3 | 英語聴覚セラピー 奇跡の音 | 教育 |
4 | ストリートファイター X 鉄拳 MOBILE | ゲーム |
5 | 誰とでもスラスラ話せる会話術 | ブック |
その要因として、1つは長期休暇で時間に余裕のある人が増え、ゲームアプリのダウンロードが増えたと考えられる。そしてもう1つ、大きな影響を与えたと考えられるのが“セール”だ。この期間にランクインしているアプリの中で、「冒険ダンジョン村」「FIFA 13 by EA SPORTS」「ウィズダム英和・和英辞典 2」は大幅な値下げセールを実施している。ゲームの人気が出やすいシーズンにセールを実施したことが、マーケットに大きな影響を与えたといえよう。