HOYAは、国内外の拠点で個別に構築・運用してきたITインフラを、シンガポールやロンドン、横浜など世界7カ所のデータセンターに集約するプロジェクトを進めている。運用コストなどの削減が狙いだ。アジア地域のシステムを集約する場所として選んだのが、シンガポールのデータセンター(DC)だ。シンガポールでの集約作業を統括している、HOYAのプラビーン・ベヌラオ ビジネスITマネジャーに同国のDCを選んだ理由などを聞いた。
アジア地域のシステム集約地をシンガポールにしたのはなぜか?
主に東南アジア地域のシステムを設置する場所としていくつかの国を検討した。政情や規制、自然災害の少なさ、海底ケーブルの状況など多数の指標で比較したが、いずれもシンガポールの評価が高く、総合的に最も最適と判断した。
特にシステムの品質維持には、DCの品質だけでなく、運用やサポート体制のしやすさも重要。その点、シンガポールにはベンダーの主要拠点があり多様な分野の専門家が常駐する。英語を話せる技術力のあるIT人材がアジア各国から集まっており、雇用しやすい。国内外の移動がしやすく、何かトラブルがあってもすぐに人員が駆けつけられるのも大きなポイントだ(写真1)。
多くの海底ケーブルも多数陸揚げされており、シンガポールはグローバルビジネスを展開するために最適なDCがある場所と言えるだろう。一方で、日本や中国などのDCは、それぞれの国内市場用には使えるが、様々なグローバル拠点から使うDCハブとしては利用しにくい。