2012年はマイクロソフトの新OS「Windows 8」が登場した年となる。前バージョンのWindows 7から3年ぶりというリリースサイクルは、マイクロソフトが従来から公表しているOSアップデートの約束通りで、リリースまでのスケジュールを見る限り開発作業そのものは順調に進行して完成に至ったことになる。
だが、その3年の間に市場の状況は一変してしまった。スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスが爆発的に普及。倍々ゲームでシェアを拡大し、最近では“PC不要論”がささやかれるほど、PCを脅かす存在になってきている。Windows 8は、こうした押し寄せるスマートデバイスの波を受け止めて、ユーザーの最も身近なところにある端末の主導権をマイクロソフトが握り続けるという重要なミッションをもって市場に登場した製品である。
しごく順調に進んだWindows 8の開発
Windows 8が広く公開されたのは2011年秋のBUILDがはじめて(写真2)。このBUILDに合わせて、開発者プレビュー(DP)版と呼ぶバージョンを広く一般に公開し、だれでもインストールして試せるようになった。
その後、2012年に入ってから、2月末にベータ版に相当する「コンシューマプレビュー(CP)版」、7月にRTM(Release to Manufacturing)版と、ほぼ予定通りにマイルストーンと呼べるバージョンが公開され、開発が順調に進んでいることが伝わってきた。
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