プログラミング言語Rubyに関する国際会議「RubyWorld Conference」が島根県松江市で2012年11月8日と9日、開催された。同会議は、島根県や松江市の産官学が組織し、Rubyの作者であるまつもとゆきひろ氏が実行委員長を務めるRubyWorld Conference実行委員会が主催、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が共催した。2日間でのべ949人が参加、Rubyの採用事例やビジネス、技術、コミュニティに関する講演が行われた。

写真●RubyWorld Conference 2012
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 挨拶に立った島根県知事 溝口善兵衛氏は、「島根県はRubyを軸にした産業振興を松江市とともに進めており、今後も力を入れていく」と語った。

写真●島根県知事 溝口善兵衛氏
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「世界を変えるには」、まつもと氏

 まつもとゆきひろ氏は「How to change the world」と題し基調講演を行った。「世界を変えることができるのだろうか」とまつもと氏は問う。それは世界の定義による。小さな世界であれば、誰でも変えることができる。まつもと氏は、Rubyを作り、100万人以上の人々がRubyを使っているとされる。海外のカンファレンスに行くと「Rubyで人生が変わった。仕事が楽しくなった」と何人もの人が声をかけてくれる。

 どうすれば世界を変えることができるだろうか。その確実な方法は誰も知らない。まつもと氏にもわからない。

写真●まつもとゆきひろ氏
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 確かなのは、やってみなければ何も変えられないこと。だから、小さく何度も賭けて、失敗したらまた挑戦するしかない。「私は天才プログラマではない。でも、Rubyの開発を継続できたことが才能だったと思う。そして仲間がいた」(まつもと氏)。世界を変えよう。世界を少しより良い場所にしよう。身近な小さな世界から。そうまつもと氏は呼びかけた。

写真●「小さく何度も賭けよう」
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