日本ヒューレット・パッカード 小出 伸一 代表取締役 社長執行役員

 2012年は、東日本大震災からの復興への動きが本格的に始まる一方で、世界的には不透明な経済環境が続いた。グローバル化がさらに進む中、当社はクラウド、ビッグデータ、セキュリティ、スマートシティを注力分野として、ITの側面から顧客の課題解決と事業の成長を支援し、着実な成果を上げることができた。

 クラウドでは、企業がより具体的な活用を検討し始め、システムの導入が進んだ。ビッグデータは、すでに豊富な実績を持つAutonomy、VerticaがHPのポートフォリオに加わったことで、顧客からの引き合いも増えてきた。こうした動きに合わせて、セキュリティへの関心も高まってきた。

 1963年にHP初のアジア拠点として横河電機との合弁企業として誕生した日本HPは、今年創立50周年を迎える。HPの原点はイノベーションにある。2013年はHPならではの最先端のテクノロジーを搭載した革新的な新製品を続々と市場に投入していく。

 自働化サーバーラインアップの増強や、HP Project Moonshotの名を冠した超低電力スケールアウトカートリッジ型サーバーの提供、仮想化、クラウド、ビッグデータといった次世代IT環境に向けた3PARを核とする新たなストレージ戦略「HP Converged Storage」などだ。PC関連では、革新的な一体型ワークステーションや機能とデザイン性を兼ね備えた法人向けタブレット。さらにプリンターの分野では、レーザーや大判プリンターでも、スマートフォンやタブレットなどに対応した製品を投入する。こうした製品を軸に、顧客にとってより価値あるサービス、ソリューションを提案していく。