2012年のBYOD(私物デバイス活用)に関する記事のアクセスランキングは下表の通りである(BYODの定義を知りたい方は、ランキング1位のキーワード解説記事をご覧いただきたい)。
私物ノートパソコンの業務利用にまつわる課題は以前から様々なことが言われてきた。2012年はパソコンに加えて、スマートフォン、タブレット端末などが活用対象として現実化した1年だった。ランキングからは、運用効率とセキュリティの両立に頭を悩ませるIT関係者の姿が浮かび上がってくる。
BYODを導入する場合に留意すべきポイントを簡潔にまとめた連載「避けて通れないBYOD」の第1回「BYODを認めるか否か、無関心が最も危険」がランキング2位だった。「BYODに関するポリシーがないというのが、企業にとって1番の問題だ」とする問題提起は、多くの関係者の意識に響いたようだ。
ほかにも、7位「クラウドが生むBYOD新潮流」や、14位「私物開放を望む声と、リスク直視を求める声」など、BYODのポリシー策定に当たって役立ちそうな記事が上位を占めた。
iOSか?Androidか?
ランキング3位に入ったのは、「iOSとAndroidの違い」という記事。BYODの観点から、米AppleのiOSと、米GoogleのAndroidの違いを解説したものだ。iOSとAndroidは共にスマートフォン/タブレット用のOSとして大きなシェアを占める。画面デザインやタッチ操作など似た点がある一方で、BYOD対象の端末として運用するうえでは大きな違いがある。
iOSとAndroidの違いをまとめた記事では、6位「iOSアプリがAndroidよりクールな理由」もランクインした。アプリケーション流通の自由度が高いAndroidについては、16位「個人情報を盗む日本語Androidアプリが相次ぐ、公式サイトでも確認」のような、不正アプリに関するニュースもしばしば報じられた。
業務利用に十分な性能を備えた新端末の発売も話題をさらった。その筆頭は、やはり米Appleのスマートフォン「iPhone 5」(15位「iPhone 5は「10月発売で4インチ画面」」)だろう。米Microsoftの新版OS「Windows 8」搭載機にもBYODに向くものがあり、企業関係者の検討対象に挙がったようだ(5位「タブレットにもなる『Windows 8』搭載Ultrabook」)。業務用端末としてのパソコンの行方について論じたコラム(9位「3年後に仕事に使っている端末は何だろう」)もよく読まれた。