2012年に公開されたビッグデータ関連の記事を振り返ってみると、ビッグデータの可能性と重要性をいち早く指摘する記事が多く読まれると同時に、ビッグデータ活用を実現するためのデータ処理基盤に関する記事が注目されたといえるだろう。
1位となった「ビッグデータ革命 人を超えた判断力・知性が身近に」は、ビジネスのあり方、さらには産業構造すら変える力を秘めたビッグデータ活用の可能性と重要性を解き明かした連載記事の第1回である。第2回、第3回もそれぞれ6位、18位にランクインしており、「ビッグデータ革命」は2012年を通じてビッグデータ関連で最も読まれた連載であった。
2位に入ったのが「触ってみよう!ビッグデータを支えるクラウド技術 Hadoopって何がすごいの」である。主に2011年後半から2012年前半にかけて、ビッグデータを扱うためのデータ処理基盤として大いに注目を集めた「Apache Hadoop」に関する連載記事の第1回である。手を動かして実際に操作することを前提にした記事であり、この連載からは、10位「MongoDBを試してみよう」、14位「分散ファイルシステムHDFSを体験する」もランクインしている。
ランキング上位で目を引くのが、3位に入った「ビッグデータ統計処理の有力ツール『R言語』入門 R言語で何ができる?」だ。統計的なデータ処理を行うために特化した、オープンソースの分析ツールであるR言語に対する関心の高さがうかがえる。
このほか注目に値するのが、2012年10月の公開ながら13位に食い込んだ「位置情報分析サービスに参入、70万人分のGPSデータ基に人の流れ可視化」である。読者の関心が、ビッグデータ活用の可能性とその実現方法から、ビッグデータを生かした具体的なサービスや製品に関する話題へとシフトしているのではないか、このような思いを抱かせるランクインである。