Windows 8は、ユーザーに対して常に何かを知らせようという考え方が希薄だ。確かに、何かあればアプリからはトースト通知が表示されて、メールやメッセージの着信はわかる。だが、せいぜいその程度だ。
確かに、スタート画面では一部のアプリタイルがライブアップデートされて最新状況を表示している。でも、パソコンを使って仕事をしているときに、ずっとスタート画面を表示しっぱなしというわけにはいかない。
スマホ並みには情報を表示してほしい
また、右側からスライドインして、チャームを表示させれば、日付と時刻、ネットワーク強度、バッテリーのおおよその残り容量くらいはわかる。だが、これまた毎回チャームを表示させるのも面倒だ。
クラシックなデスクトップ環境では、タスクバー右端の通知領域は依然として健在だ。作業中にも常時表示されていて、スッと目をやれば、日時はもちろん、バッテリーの残り容量やネットワークの状況などは一目瞭然だ。
今後、新しいModern UIのアプリが主流になり、パソコンのユーザーが、新しいアプリで仕事をするようになったとして、通知バーもないUIがこのままでいいのか、はなはだ疑問だ。
スマホでさえ通知領域は用意されている。新しいUIでは、ワイドスクリーンで使う場合、アプリを左右端にスナップできるが、ちょっとした表示に、そんなに大きな領域を使ってしまうのはもったいない。
ネットワークはつながっていて当たり前、バッテリーは何も考えなくても丸一日は余裕で持つというハードウエアの時代ならこれでいいのかもしれない。だが、そうなるのは、もうちょっと待たなければなるまい。「時間? そんなもの気にする方が悪い」ということなんだろうか。
いずれにしても、かゆいところに手が届くようなアプリがほしい。今、Windows 8に足りないのはそうしたユーティリティだ。
きちんと環境が整備されれさえすれば、まるでパソコンの中にスマホ、タブレットが入ったようなハイブリッドでオールマイティなOSなのだから、魅力は倍増するに違いない。それをマイクロソフトだけに要求するというのは酷なのかもしれない。
フリーランスライター