ITジャーナリスト兼コンサルタントの林信行氏が2012年に最もインパクトを受けたニュースとして挙げたのは、ソフトバンクによる米国の通信事業者スプリントの買収である(ニュース記事:ソフトバンクが米スプリント買収を正式発表、「ユーザー規模では既にNTTドコモを抜いた」)。
同ニュースを第1位に選んだ理由について林氏は、「iPhoneという1台のスマートフォン端末が、キャリアの明暗から国内向けLTEサービスの周波数帯域にまで影響を与え始めたことを最も印象付けた」(同氏)ニュースであることを挙げている。
iPhoneのLTE対応に備えることを主な目的としたソフトバンクによるイー・アクセスの買収(ニュース記事:ソフトバンク、イー・アクセスを買収へ、株式交換で約1800億円)など、携帯電話事業者同士の合併や統合の動きが世界的に始まっている。
それらの中でも突出して大きなニュースだったのが、このソフトバンクによる米スプリントの買収である。「このニュースのおかげで、欧米のメディアが再び日本の携帯電話業界に注目し始めた。これを足がかりとして、逆に国内メーカーによる米国展開の可能性などが見えてくることを期待したい」(林氏)。