Ubuntu 12.10は、インストールや設定のしやすさに開発の主眼を置くLinuxの入門者向けディストリビューションです。英Canonical社が支援するUbuntuコミュニティーによって提供されています。

 標準で多言語対応済みなので、日本語の表示や入力が可能です。さらにUbuntu Japanese Teamがカスタマイズした「Ubuntu 12.10 Desktop 日本語 Remix」では、文字化けなどのバグ修正や調整が施されています。

 本インストールガイドでは、Ubuntu 12.10 Desktop 日本語 Remixを利用したインストール方法を紹介します。

Ubuntu 12.10 Desktop 日本語 Remix

日本語版提供元:Ubuntu Japanese Team(Ubuntu Foundation)

URL:http://www.ubuntulinux.jp/

対応機種:x86

オリジナル開発元:Canonical社、Ubuntu Foundation

URL:http://www.ubuntu.com/

対応機種:x86、AMD64

注意事項

 Ubuntuをインストールする際には、以下の点に注意が必要です。

(1) 動作環境

 Ubuntu 12.10のインストールには、一部のPentium III機を除くPAE対応のCPU、768Mバイトのメインメモリー、5Gバイト以上の空き容量が必要になります。ストレージの空き容量が少ない場合は、別ドライブを用意することをお勧めします。

 インストール用のDVD-Rメディアから起動できるように、パソコンのBIOSを設定する必要があります。[F2]や[Del]といった機種固有のキーでBIOSを呼び出し、BIOS内のメニューに「Boot Sequence」などの表記で起動時の優先デバイス設定画面を開き、「CD-ROM」や「Internal Optical」などの文言を含む項目を最優先にします。

(2) Windowsとのマルチブート

 UbuntuとWindowsを切り替えて起動できるマルチブート構成にしたい場合は、パーティションのサイズ変更の際に、データが消失する場合があるため、Windows内にある重要なデータなどをあらかじめバックアップしておくことをお勧めします。

 Linuxが正常にインストールされなかったり、Windowsだけの構成に戻したりするときに利用する、Windows起動用ディスクを用意しておきましょう。Windows 2000/XP/Vista/7の場合は、これらのインストールCD/DVDを用意しておきます。

 Linuxを削除する場合は、Linux用のパーティションを削除するのに加えてハードディスクの先頭領域にあるMBR(マスターブートレコード)を更新する必要があります。 Windows Me/98では、Windowsの起動ディスクを使って起動し、コマンドプロンプトで「fdisk /mbr」コマンドを実行します。Windows XP/2000/Vista/7の場合は、Windows回復コンソールを利用します。回復コンソールが起動したら、Windows 2000/XPの場合は「fixmbr」、Windows Vista/7の場合は「bootrec /FixMbr」、「bootrec /RebuildBcd」の順に入力します。

 Ubuntu 12.10 Desktop 日本語 Remixは32ビット版のため、Windows 8プリインストールマシンなどで有効になっている「UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)」ならびに「Secure Boot」(セキュアブート)での起動に対応していません。「Leagacy mode」など従来BIOSの動作モードに切り替えるか、64ビット版Ubuntu 12.10をお使いください。

(3) ハードウエアの動作について

 パソコンの機種によってはその機能すべてを利用できない場合があります。テレビチューナー、無線LANなどです。無線LANについては機器の提供ベンダーがLinux用のデバイスドライバを用意している場合がありますので、そちらを個別にインストールして利用してください。

免責事項

 インストールによって起動しなくなった、データが消えてしまったなどのトラブルが発生した場合でも、弊社および著者、Linuxのディストリビューターは一切の責任を負いません。また、インストールに関する質問についても承けかねます。自己の責任においてインストールしてください。