年賀状は、コミュニケーションツールの一つです。これから後もお互いに、より良い関係を築いていきたいことを考えると、選択肢4の何もリアクションをしないことはNGです。

 受け取ったら早めに返信をしましょう。葉書で頂いた場合は、基本的には葉書で返事をするのが基本です。年賀状を数枚多めに用意しておくと、素早く対応できます。

 返信する際は、書くタイミングにより、冒頭の賀詞を注意してください。

 一般的に「松の内」と言われる1月7日を基準にしています(松の内は門松を飾っておく期間です)。1月7日までに返事を出す(相手に到着する)なら、年賀の言葉で結構ですので選択肢1、もしくは選択肢2で正解です。

 ただし今回は1月7日より後に返事を出しますので、年賀状ではなく、寒中見舞いとなります。ちなみに、寒中見舞いは「立春」と呼ばれる2月4日までなら出しても結構です。2月4日以降に出す挨拶状は、「余寒見舞い」という言葉を使います。

 選択肢1の「謹賀新年」と、選択肢3の「賀正」は、対象者によって使い分けるとよいです。

 「賀正」や「迎春」という賀詞は、目上の方から目下に対して使う言葉です。目下からは使わないように注意してください。

 使いやすいのは、「謹賀新年」という言葉です。こちらは「謹んで新年のお祝いを申し上げます」の意味ですから、どなたにでも使うことができます。

 年賀状や挨拶状の類は、会社で印刷したものが用意されていることがほとんどだとは思います。ただ、用意されている葉書をそのまま出すのではなく、一言で構いません。直筆でコメントを書いてみてください。相手との関係を構築するきっかけの一つとして、年賀状や挨拶状を意識して使ってみませんか?

岩淺 こまき(いわあさ こまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント
1997年、システム販売会社に就職し、営業・技術支援および導入企業向けの研修を担当。その後、人材紹介会社での中途入社社員向けビジネスマナー/IT研修、メーカーでの販売促進セミナーの企画・運営業務を経て、2007年より現職。ビジネスマナー、プレゼンテーション、コミュニケーションなどヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。