アップルは2012年12月14日、App Storeに公開されているアプリの中から優れたアプリを紹介する「App Store BEST OF 2012」を発表(写真1)、日本のApp Storeスタッフが選出した2012年のベストiPhone Appとして直感的な操作で音楽作成ができる「Figure」が、ベストiPad Appとしてスケッチツールの「Paper by Fifty Three」が選ばれた。

写真1●2012年の最優秀アプリを選出した「App Store BEST OF 2012」
写真1●2012年の最優秀アプリを選出した「App Store BEST OF 2012」
App Store上で閲覧可能だ。
[画像のクリックで拡大表示]

 では実際、今年App Storeで多く利用されたアプリや、その傾向はどのようなものだったのだろうか。同時に公開された“トップセラー”のランキングから確認してみよう。

有料課金アプリは定番が強く変化は少ない

 「App Store BEST OF 2012」は、App Storeのスタッフが選出した優秀なiPhone・iPadアプリを選出し、公開するもの。今年はiPhone向けでは、前述の音楽作成ツール「Figure」、ゲームではアクションゲームの「レイマン ジャングル ラン」がベストアプリに選出された。iPad向けのベストアプリは「Paper by Fifty Three」、そしてゲームでは箱の謎を解くアドベンチャーゲーム「The Room」が選出されている。

 その他にも、スタッフが選んだiPhone・iPad向けの優秀アプリを同ページで公開しているが、これらはあくまでもApp Storeのスタッフが選んだアプリであり、実際に多くのユーザーに利用されているアプリであるとは限らない。そこで、実際にユーザーが多くダウンロードした、あるいは購入したアプリと判断できる“トップセラー”のランキング動向から、今年の国内アプリシーンを振り返ってみる。

 まずはiPhoneのダウンロード課金型アプリの人気動向について確認する。「トップ有料」のトップセラーランキング上位10位を表1にまとめた。

表1●App Store BEST OF 2012における「トップ有料」のトップセラーランキング(iPhone)
表1●App Store BEST OF 2012における「トップ有料」のトップセラーランキング(iPhone)

 このランキングの1位は「マイカレンダー」である。これはFacebook上の友人の誕生日を管理するもの。Facebook上の友人に対し一斉にアプリの認可を求めるなど、さまざまな物議をかもしたが、Facebook人気の高まりを反映してか、多くの人にダウンロードされたようだ。

 他にランクインしたアプリの動向を見ると、今年後半にランキングトップに入るようになった「音声通訳 Pro」が上位にランクインするなどの動きはあるが、全般的には「連絡先+」「Akinator for Genie」など、定番ともいえるアプリが多くランクインしており、大きな変化が感じられるランキングではない。