日本のIT業界の雄である富士通が苦しんでいる。

 2012年3月期まで4期連続で減収を続け、今年7月には株価が32年前の水準にまで下落した。国内IT投資の低迷とともに元気を失いつつある、日本のIT産業を象徴しているかのようだ。

 だが、諦めてはいない。山本正已社長の号令の下、今年4月に大胆な組織改革を断行。現場がリスクを取れる攻めの体制を整えた。新規事業の種まきも進め、グローバル市場を本格的に攻略する。忍び寄る衰退の影をはねのけ、成長路線に回帰できるのか。正念場を迎えた富士通の次の一手に迫る。

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