米Apple社が2012年11月2日に発売した、新型タブレット端末「iPad mini」(Tech-On!の関連記事)。最大の特徴は、「片手で持てる」(同社)という小型軽量化を実現したことだ。外形寸法は200mm×134.7mm×7.2mm、重さはWi-Fiモデルが308gである(Wi-Fi+Cellularモデルが312g)。Retina Displayを搭載した第3世代「iPad」と比べると、ひと回り小さいことがわかる。

図1●「iPad mini」(左)と「iPad」(第3世代品、右)の比較
図1●「iPad mini」(左)と「iPad」(第3世代品、右)の比較
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図2●iPad mini(左)とiPad(第3世代品、右)の高さの比較
図2●iPad mini(左)とiPad(第3世代品、右)の高さの比較
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 Apple製品が大好物な日経エレクトロニクス分解班は、発売日にiPad mini(Wi-Fiモデル、16Gバイト品)を入手した。もちろん分解しApple社の設計思想を探るためだ。発売日から10日遅れになるが、本日からTech-On!上で分解の模様をお伝えしたい。なお、詳細記事は、日経エレクトロニクスの2012年11月26日号で掲載予定である他、2012年12月5日には「iPad mini & Nexus 7 分解/解析セミナー&部品撮影会 内部構造から小型タブレット競争の勝者を探る」と題したセミナーを開催予定である(概要はこちら)。

今回もヒートガンとヘラが活躍

 前置きが長くなったが、分解の模様を紹介させていただく。Aplle社製品の分解で最もハードルが高いのが、筐体前面カバーの取り外しだ。「iPhone」と「iPad」シリーズ共に、これまで分解班は苦戦することが多かった。

 だが、前回の「新しいiPad」(第3世代品)の分解時に、我々は強力な武器を手に入れていた。ヒートガン(工業用熱風加工機)とカーボン樹脂製のヘラである(Tech-On!の関連記事)。これらを用いて、両面テープで接着されているタッチ・パネル付きのカバー・ガラスを剥がしていく。

図3●今回もヒートガンを使用
図3●今回もヒートガンを使用
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図4●ヘラで粘着テープを剥がしていく
図4●ヘラで粘着テープを剥がしていく
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 新しいiPad同様、まずはiPad miniの角の周囲を、ヒートガンを熱しながらマイナスドライバで隙間を設ける。この隙間にヘラを差し込んで、カバー・ガラスを少しずつ温めながら両面テープを剥がしていくことで、難なく取り外しに成功した。

図5●難なくカバー・ガラスを取り外しに成功
図5●難なくカバー・ガラスを取り外しに成功
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 カバー・ガラスを剥がし、中身をさらに覗いていく。