新興国の消費者ニーズや購入できる価格に着目して商品を開発し、それを先進国に持ち込む「リバース・イノベーション」。米GEの事例が有名だが、本書はこの手法が今や多くの企業の重要課題になっていることを、事例で実証している。

 例えばコンピュータ周辺機器の米ロジテック。中国の新興メーカーが発売した「低価格で中級」のマウスが短期間でシェアを拡大するのを見て、「我々の商品はニーズに応えられていなかった」と反省。中国を想定した新商品を6カ月で開発・発売した。同商品は後に欧米でも発売し、450万個の大ヒットを記録した。

 こうした事例に加えて、マネジメント・モデルの変え方にも言及している。読み応えがある。

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リバース・イノベーション
ビジャイ・ゴビンダラジャン/クリス・トリンブル著
ダイヤモンド社発行
1890円(税込)