「オープンクラウド」というキーワードを軸に、クラウドの最新動向を解説した書籍である。米ヴイエムウェアによる米ニシラの買収を含め、SDN/OpenFlowの最新動向にも紙数を割いている。クラウドを取り巻く現状や主要プレーヤーの動向の把握に役立つ。

 中身から離れるが、プリント・オン・デマンド(POD)と電子書籍の併用という発行形態が興味深い。

 印刷版にはアマゾンのPODプログラムを使ってみた。基本的にはペーパーバックで装本は安っぽいが、大部数を見込めない専門書の発行形態として面白い試みだと感じた。

 電子書籍は、PDFとEPUB3が使える。第3世代iPadでは、EPUB3(iBooksを利用)よりもPDFのほうが読みやすい。一方、画面が小さいiPhone 5では、テキストのリフロー機能が使えるEPUB3が読みやすかった。現時点では、両方のフォーマットを用意するのは正解かもしれない。

>オープンクラウド入門

オープンクラウド入門
林雅之著
インプレスR&D発行
2100円(税込)