ネットワークやサーバーで構成されるITインフラがどのように動作しているのか、その仕組みを解説した本。想定読者は「ITの仕事に関わる仕事を始めて5年目くらいまでのエンジニア」で「自分の扱う領域については知見が深まりつつある中で、ITインフラ全般を学びたいという方」とまえがきにある。つまり本書は、全く知識を持たないITインフラ初心者に向けたものにはなっていない。

 しかし、ネットワークもしくはサーバーのどちらかの分野に知識が偏っているような人は、思わず膝を打つ記述に出合うだろう。私はどちらかというとサーバーのことをよくわかっていないタイプ(ネットワークについては多少わかる程度)だが、本書の図説はわかりやすく、サーバーへの理解が深められたように思う。

 サーバーとネットワークが連携して動作する仕組みを無理なくまとめた視点が、本当に素晴らしい。現役のエンジニア/コンサルタント4人が筆を振るった本だが、ありがちなわかりにくい説明に陥らず、丁寧な解説をしている点に好感が持てた。他社の本だが、日経NETWORKの読者にもお薦めしたい。

絵で見てわかるITインフラの仕組み

絵で見てわかるITインフラの仕組み
山崎 泰史/三縄 慶子/畔勝 洋平/佐藤 貴彦著
小田 圭二監修
翔泳社発行
2499円(税込)