写真1●Skypeのストックホルムオフィス
写真1●Skypeのストックホルムオフィス
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 世界各国にVoIPサービスを展開する「Skype」。2011年5月にマイクロソフトが85億ドルでの買収を発表し、2011年10月に買収が完了。現在はマイクロソフトの一部門としてサービスを提供している。

 買収完了からほぼ1年が経過した2012年9月時点での月間アクティブユーザー数は2億8000万人に達している。買収後には、Windows 8やWindows Phone 8といったマイクロソフトの新OSローンチに合わせてアプリを投入した。その一方、iOSやAndroidなどライバルのプラットフォームにも継続的にアップデートを提供している。

 次々と登場しているVoIPサービスの中でSkypeが特に優位性を保っているのが、高品質な音声通話やビデオ電話だ。Skypeの音声や動画に関する品質管理を一手に担うSkypeのストックホルムオフィスを訪問した(写真1)。

世界中で幅広く使われているSkype

写真2●SkypeのReal Time Media Software担当ゼネラルマネージャのカールハインツ・ウーム氏
写真2●SkypeのReal Time Media Software担当ゼネラルマネージャのカールハインツ・ウーム氏
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 ストックホルムオフィスで話を聞いたのは、製品管理チームを統括するカールハインツ・ウーム氏である(写真2)。

 Skypeでは音声や動画、それらを転送する技術をまとめて「リアルタイムメディア」と呼んでいる。2005年にSkypeに入社したウーム氏は、主にSkypeのリアルタイムメディアに関する品質管理を統括してきた。

 ウーム氏がSkypeを説明するにあたって最初に挙げたキーワードが「多様性」(ダイバーシティ)だ。「Skypeのユーザーは、世界的に広く分布しているという意味で、地理的な多様性がある。Facebookのように、欧州や米国で人気だがロシアでは使われていない、といった偏りがない」(ウーム氏)と説明する。

 ユーザー以外に、Skypeの従業員も国籍の多様性があるという。「ストックホルムオフィスの6割は外国人で、スウェーデン出身者は4割しかいない」(ウーム氏)と、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど様々な地域から従業員が集まっていると説明した。また、Skype発祥の地であるエストニアのタリンには、日本人従業員も在籍しているとのことだ。

 さらにウーム氏は、プラットフォームの多様性についても言及した。Skypeは主要なPCプラットフォームとして、Windows/Mac/Linuxに対応する。Windows 8で新しく導入されたModern UI対応のWindows 8ストアアプリ「Skype for Windows 8」もリリース済みだ。モバイルではiOS/Android/Windows Phoneで利用可能だ。さらに、スマートTVやPSPに対応する。「Skypeがどれほど多様なプラットフォームで利用できているか、たとえばAppleのFaceTimeと比べてみてほしい」(ウーム氏)と違いを強調した。