写真●東京サテライトオフィスの開設式
写真●東京サテライトオフィスの開設式
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 IFRS(国際会計基準)の設定主体であるIASB(国際会計基準審議会)の上位組織、IFRS財団が東京にアジア・オセアニア・オフィス(サテライトオフィス)を開設しました。ロンドンに本部を置くIFRS財団にとって、初めての海外オフィスとなります。

 東京サテライトオフィスは、日本を含むアジア・オセアニア各国のIFRS導入活動を支援するほか、IASBに対する意見集約・発信の場として活動していく予定です。東京・経団連ホールで開催された開設式では、国内外の関係者が新オフィスに期待を寄せた発言が目立ちました(写真)。

 日本では金融庁が2009年に公表したロードマップ(中間報告)で「2012年を目途に適用の可否を判断する」としていましたが、2011年に当時の金融担当大臣発言を機に日本でのIFRS導入方針の見直しを決定。2012年11月時点で、まだ金融庁企業会計審議会で議論を継続しています。米国も導入方針をまだ明確にしておらず、インドは当初予定を延期しています。

 一方で、日本でも8社がIFRSの任意(早期)適用を開始または表明しており、少しずつですが普及しつつあります。IFRS財団の東京サテライトオフィスが、「世界で唯一の高品質な会計基準」という壮大な目標を持つIFRSの普及を後押しするのでしょうか。ここまでの動きをまとめてみました。

東京サテライトオフィスが始動

進展しない日本でのIFRS導入議論

IFRS導入を決めなかった米国

企業はIFRSに関して何をすべきか